日本語試験「JLPT」と「JFT-Basic」
日本語試験の要件
まずは、特定技能1号および2号の在留資格を取得する際に必要な日本語試験の要件について解説します。
特定技能1号の場合
特定技能1号の在留資格を取得するために必要な日本語試験の要件は、次のいずれかです。
- 日本語能力試験(以降「JLPT」)でN4レベル以上を取得する
- 国際交流基金日本語基礎テスト(以降「JFT-Basic」)で判定基準点(CEFR A2相当)以上を取得する
ただし、特定産業分野「介護」については、上記に加えて介護日本語評価試験の合格が必要です。
特定技能2号の場合
特定技能2号の在留資格を取得する際は、原則として日本語試験の合格を求められません。特定技能2号の技能試験として課される特定技能2号評価試験を解くには、JLPT N2相当の日本語能力が必要となるためです。
ただし、一部の受け入れ分野(2025年3月時点で漁業分野・外食業分野)では、JLPT N3の取得を要件として設定しています。
技能試験の要件
技能試験には、大きく分けて「特定技能評価試験」と「技能検定」の2種類の試験があり、基本的にはどちらかに合格すれば良いとされています。ただし、技能検定については受験資格に一定の実務経験年数が求められるため、特定技能評価試験を受ける外国人材が多いです。
特定技能1号の場合
特定技能1号の在留資格を取得するために必要な技能試験は、特定産業分野や業務区分によって異なります。基本的には、特定技能1号に課される特定技能評価試験である「特定技能1号評価試験」を受けることが一般的です。
特定技能2号の場合
特定技能2号の在留資格を取得するために必要な技能試験は、特定産業分野や業務区分によって異なります。特定技能2号に課される特定技能評価試験である「特定技能2号評価試験」を受けることが一般的です。
特定技能2号の技能試験を解くには、JLPT N2相当の日本語能力が求められます。そのため、どの特定産業分野においても継続的な日本語学習が欠かせません。
また、2025年3月現在、工業製品製造業分野では、技能試験に加えてビジネス・キャリア検定3級への合格が求められています。
特定技能人材になるために必要な日本語試験「JLPT」とは
JLPTとは、日本語を母語としない人々の日本語能力を評価するための試験です。国際交流基金・日本国際教育支援協会が運営しており、世界最大規模の日本語試験としても知られています。
JLPTの試験は、難易度別にN5〜N1までの5つのレベルに大別されています。特定技能人材の在留資格を取得するには、基本的に「N4レベル」以上の日本語能力が求められます。
一部の特定産業区分では、特定技能2号になる際にJLPT N3の取得を要する分野もありますが、ここでは特定技能1号の在留資格を取得するために求められるJLPT N4のレベルや難易度について解説しま
特定技能1号の外国人材になるために必要なN4レベル
特定技能1号の外国人材になるには、JLPT N4レベルの日本語能力が必要です。N4レベルはN5~N1の5つのレベルの中で2番目に易しい試験となっており、初級者から中級者向けといえます。
JLPTの公式サイトでは、JLPT N4のレベル認定の目安として、以下の内容を挙げています。
| 認定の目安 | 基本的な日本語を理解することができる。 |
| 読むレベル | 基本的な語彙や漢字を使って書かれた日常生活の中でも身近な話題の文章を、読んで理解することができる。 |
| 聞くレベル | 日常的な場面で、ややゆっくりと話される会話であれば、内容がほぼ理解できる。 |
特定技能1号の外国人材になるために必要なN4レベルの難易度
JLPTの公式サイトによると、直近3回分のJLPT N4レベルの合格率は次のとおりです。
JLPT N4試験データ
| 開催年月 | 受験者数(人) | 認定者数(人) | 合格率(%) |
|---|---|---|---|
| 2024年7月 | 157,053 | 64,207 | 40.9% |
| 2023年12月 | 149,334 | 47,243 | 31.6% |
| 2023年7月 | 148,410 | 63,184 | 42.6% |
直近3回分の試験では合格率が半分を下回っており、ある程度難易度が高い試験であるといえます。外国人材がN4レベルに合格するには、余裕をもった学習スケジュールと十分な試験対策が必要です。
特定技能の日本語試験「JFT-Basic」とは
JFT-Basicとは、日本での就業を予定している外国人材を対象に、生活の場面で求められるさまざまな日本語能力を測定するための試験です。国際交流基金が運営しています。
JFT-Basicの試験にはレベル分けがなく、受験を通してCEFR A2相当の日本語能力があるかどうかを判定する仕組みとなっていま
特定技能1号の外国人材になるために必要なA2レベル
JFT-Basicの公式サイトでは、A2相当の日本語能力について、ある程度の日常会話ができ、生活に支障がない程度の日本語能力と説明しています。詳しい内容としては、次の内容を挙げています。
- ごく基本的な個人的情報や家族情報、買い物、近所、仕事など、直接的関係がある領域に関する、よく使われる文や表現が理解できる
- 簡単で日常的な範囲なら、身近で日常の事柄についての情報交換に応じることができる
- 自分の背景や身の回りの状況や、直接的な必要性のある領域の事柄を簡単な言葉で説明できる
特定技能1号の外国人材になるために必要なA2レベルの難易度
JFT-Basicの公式サイトによると、直近3期間分のJFT-Basicの基準点到達率は次のとおりです。
JFT-Basic試験データ
| 開催期間 | 受験者数(人) | 基準点到達者数(人) | 基準点到達率(%) |
|---|---|---|---|
| 2024年12月 ~2025年1月 | 28,485 | 12,726 | 44.7% |
| 2024年10月 ~11月 | 31,193 | 15,032 | 48.2% |
| 2024年8月 ~9月 | 25,922 | 11,293 | 43.6% |
※国内・海外を含むすべての受験者数・基準点到達者数を参照
直近3期間分の試験では基準点到達率が半分を下回っており、ある程度難易度が高い試験であるといえます。外国人材がJFT-Basicの基準点に到達するためには、一定の試験対策が必要です。
介護分野に関しては、介護用の日本語試験が課されますので、参考に
データを表記しておきます。
特定産業分野「介護」の特定技能1号の外国人材に必要な日本語試験「介護日本語評価試験」とは
特定産業分野「介護」で特定技能1号の在留資格を取得するには、これまで紹介してきた「JLPT」と「JFT-Basic」のいずれかに合格することに加えて、「介護日本語評価試験」への合格が必要となります。
介護日本語評価試験とは、介護現場で業務に従事するうえで支障のない程度の水準の日本語能力の有無を確認する試験です。試験では、「介護のことば」「介護の会話・声かけ」「介護の文書」などの介護に特化した問題が出題されます。
厚生労働省によると、直近3回分の介護日本語評価試験の合格率は次のとおりです。
介護日本語評価試験データ
| 開催年月 | 受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率(%) |
|---|---|---|---|
| 2025年1月 | 9,363 | 5,642 | 60.3% |
| 2024年12月 | 5,234 | 3,236 | 61.8% |
| 2024年11月 | 5,274 | 2,988 | 56.7% |

