★「材料は元請が用意するから」と言われたら★
下請会社が確認しておきたい意外なポイント
建設工事では、材料を誰が用意するのかによって、仕事の進め方が変わることがあります。
例えば元請会社から、
「材料はこちらで用意します」
と言われるケースです。
下請会社としては、
「それなら材料代を考えなくていいから楽だな」
と思うかもしれません。
しかし、ここで確認しておきたいことがあります。
元請が材料を用意する場合でも、下請会社が何も確認しなくていいわけではありません。
「材料を支給する」ことは、きちんと整理しておく
国土交通省が示している建設工事標準下請契約約款では、元請から下請への支給材料について、
- 品名
- 数量
- 品質
- 規格
- 性能
- 引渡し場所
- 引渡し時期
などを定めることとされています
つまり、
「材料は元請が持ってきます」
だけではなく、
「何を、どれだけ、いつ、どこに持ってくるのか」
まで整理しておくことが重要です。
現場では「材料が来ない」が意外と困る
例えば、下請会社が予定どおり職人を現場に入れたとします。
ところが、
「今日使う材料がまだ届いていない」
となったらどうでしょう。
職人は待機することになります。
次の現場の予定もあります。
材料が届かなければ、その日の作業が進まないだけでなく、後の工程にも影響する可能性があります。
だから、
「元請支給だから、自分たちには関係ない」
と考えるのではなく、
「いつ材料が届く予定なのか」
を事前に確認しておくことが大切です。
届いた材料が「これで合っている?」ということもある
さらに注意したいのが、材料の内容です。
例えば、
「この材料で施工してください」
と現場に届いたものの、
「図面に書いてあるものと違うような気がする」
ということもあります。
この場合、
「元請が持ってきた材料だから、そのまま使おう」
と判断するのは避けたいところです。
建設工事標準下請契約約款では、支給材料について、品質・規格・性能などが設計図書と異なる、または使用に適さないと認めた場合には、元請に通知することが定められています
つまり、
「支給されたから使う」ではなく、「使って大丈夫な材料なのか」を確認する
という考え方です。
「足りない」も同じ
材料の問題は、品質だけではありません。
数量が足りないこともあります。
例えば、
「この現場には100個必要なのに、80個しか届いていない」
という場合です。
そのまま施工を始めれば、途中で材料がなくなるかもしれません。
そこで、
「足りない分は後で持ってきてもらえばいい」
と簡単に考えるのではなく、
不足していることを早めに元請へ伝える
ことが重要です。
現場が進んでから材料不足に気付くより、搬入された段階で確認しておくほうが、工程への影響を抑えやすくなります。
材料が変更されたら、工事にも影響する
途中で、
「やっぱりこの材料に変更してください」
と言われることもあります。
その場合も、
「材料代は元請持ちだから関係ない」
とは限りません。
材料が変われば、
施工方法が変わる。
必要な人数が変わる。
作業時間が変わる。
場合によっては工期にも影響する。
ということがあります。
そのため、材料の変更が出た場合には、
「材料が変わるだけなのか、それとも施工条件まで変わるのか」
を確認しておくことが大切です。
建設工事標準下請契約約款でも、支給材料の品質・規格等の変更に伴って、必要がある場合には工期や請負代金額を変更する考え方が示されています。(mlit.go.jp)
余った材料はどうする?
もう一つ、意外と忘れやすいのが、
「余った材料をどうするのか」
です。
工事が終わったら、
「余った材料は現場に置いておくのか」
「元請に返すのか」
「廃棄するのか」
を確認しておく必要があります。
標準下請契約約款でも、工事の完成などによって不要となった支給材料について、返還することが定められています。(mlit.go.jp)
現場では、
「余ったから処分しておきました」
と簡単に済ませてしまうこともあるかもしれません。
しかし、誰が所有する材料なのかを考えれば、勝手に処分するのは避けたほうがよいでしょう。
「支給材料だから安くできる」とは限らない
元請から、
「材料はこちらで用意するので、工事代だけで見積してください」
と言われた場合も、下請会社は自社の作業量をきちんと考える必要があります。
材料費がなくなっても、
- 材料の受け取り
- 搬入
- 保管
- 加工
- 現場での運搬
- 材料の確認
- 余った材料の整理
など、現場で発生する作業がなくなるわけではありません。
「材料代がないから、見積金額も大幅に安くできる」
と単純に考えるのではなく、
自社が実際にどこまで作業するのか
を整理して見積することが大切です。
元請側も「支給すれば終わり」ではない
もちろん、これは下請会社だけの話ではありません。
元請会社が材料を支給するのであれば、
「必要な材料を、必要な時期に、必要な場所へ用意する」
ことが工事を円滑に進めるうえで重要になります。
材料が遅れれば、下請会社の作業にも影響します。
材料が違えば、施工にも影響します。
数量が足りなければ、工程にも影響します。
だからこそ、材料支給についても、契約や設計図書などで内容を明確にしておくことが大切です
「材料は元請支給」で安心しすぎない
材料を元請が用意してくれる。
これは下請会社にとって便利な場合もあります。
しかし、
「材料代を払わなくていい」
ということだけを見ていると、現場で思わぬ問題が起こることがあります。
大切なのは、
何を支給するのか。
いつ届くのか。
数量は足りているのか。
品質や規格は問題ないのか。
変更された場合はどうするのか。
余った材料はどうするのか。
こうした点を、工事が始まる前から確認しておくことです。
建設工事は「誰が材料を買うか」だけではない
建設工事では、
「材料は元請」
「施工は下請」
というように役割を分けることがあります。
しかし、そこで終わりではありません。
材料の受け渡しや確認、保管、変更、余った材料の扱いまで含めて、誰が何をするのかを整理しておくことが大切です。
普段から元請と下請の関係ができている会社ほど、
「いつものやり方で」
となりがちです。
だからこそ、新しい工事を始めるときには、
「今回の材料は誰が用意するのか?」
だけでなく、
「その材料について、誰がどこまで担当するのか?」
まで一度確認してみてはいかがでしょうか。
ちょっとした確認が、現場の手待ちや材料不足、施工上の行き違いを防ぐことにつながります。
★「下請けに任せている」は危険
建設会社が知っておきたい「丸投げ」の境界
建設工事を受注すると、すべてを自社だけで施工する会社ばかりではありません。
専門的な工事は専門業者にお願いする。
人手が必要な部分は下請会社に入ってもらう。
建設業では、ごく普通に行われていることです。
では、どこまで下請に任せても大丈夫なのでしょうか。
「工事は下請会社がやってくれるから、うちは管理だけ」
この考え方が、場合によっては問題になることがあります。
「下請を使うこと」と「丸投げ」は違う
まず、ここは勘違いしないようにしたいところです。
下請会社に工事を任せること自体が禁止されているわけではありません。
元請会社が専門工事を下請に発注することは、建設業界では一般的です。
問題になるのは、
請け負った工事について、元請会社が施工に実質的に関与せず、工事の全部または主たる部分などを一括して下請に請け負わせること
です。
これが、建設業法でいう「一括下請負」、いわゆる丸投げです。
「うちは職人を出していないから丸投げ」ではない
ここも注意したいところです。
元請会社が自社の職人を現場に出していないからといって、それだけで直ちに一括下請負になるわけではありません。
重要なのは、
元請会社が、その工事に実質的に関与しているかどうか
です。
国土交通省の資料では、元請が行うべき実質的な関与として、
- 全体の施工計画を作成する
- 工程を管理する
- 工事全体の品質を管理する
- 安全管理を行う
- 技術的な指導を行う
- 発注者との協議・調整を行う
- 工事全体のコストを管理する
などが挙げられています。
つまり、
「下請に施工してもらっている」
ことと、
「下請に全部任せて、自社は何もしていない」
ことは同じではありません。
例えば、こんな会社は一度確認したい
例えば、A社が元請として工事を受注したとします。
その工事について、
「実際の施工はB社に全部お願いしよう」
となりました。
さらに、
「工程もB社に任せる」
「品質についてもB社に任せる」
「現場で発生した問題もB社に判断してもらう」
「発注者との打合せもB社に任せる」
となっていたらどうでしょうか。
A社は契約上は元請ですが、実際には工事にほとんど関与していません。
このような状態になると、単に「下請を使っている」という話では済まなくなります。
「下請会社が優秀だから任せている」は理由にならない
長く付き合っている下請会社があると、
「ここの仕事は全部任せておけば大丈夫」
と思うこともあるでしょう。
実際、信頼できる下請会社がいることは、元請会社にとって大きな財産です。
しかし、
信頼して任せることと、元請としての役割まで手放すことは別です。
下請会社が施工を担当していても、元請会社として果たすべき役割があります。
「昔からこの会社に任せているから」
だけで、元請として何もしなくてよいということにはなりません。
「利益だけ取っている」と見られないために
建設業法が一括下請負を禁止している理由の一つは、施工責任が不明確になったり、中間搾取を目的とするような業者が生じたりすることを防ぐためです。
元請として工事を受注した以上、
「誰に施工させるか」だけでなく、「自社が工事にどう関与するのか」
を考える必要があります。
これは、会社の規模が大きいか小さいかに関係ありません。
下請との契約だけ確認して安心しない
「下請会社とちゃんと契約書を作っているから大丈夫」
と思っている会社もあるかもしれません。
しかし、一括下請負の問題は、契約書があるかどうかだけで決まるものではありません。
実際に元請会社が工事にどのように関与しているのか。
ここが重要です。
国土交通省の資料でも、元請と下請について、それぞれが担うべき役割が具体的に整理されています。
「現場は下請に任せる」が普通になってきたら
会社が成長すると、自社だけではすべての工事を施工できなくなることがあります。
そこで下請会社を増やし、
「自社は営業と管理を中心にする」
という体制になることもあります。
これは会社の成長として自然な流れです。
ただし、ここで一度、
「元請として、うちは何をしているのか」
を確認しておきたいところです。
下請会社に施工を任せる範囲が大きくなればなるほど、
「自社がどこまで関与しているのか」
を意識する必要があります。
逆に、下請として受ける側も知っておきたい
この話は元請会社だけの問題ではありません。
一括下請負の禁止は、工事を一括して請け負わせる側だけでなく、一括して請け負う側にも関係します。
建設業法22条2項では、一括して他人から請け負うことも禁止されています。
そのため、
「元請から言われたから、そのまま全部受けただけ」
という場合でも、関係ないとは限りません。
下請会社側も、
「今回、自社はどこまでの工事を請け負っているのか」
を確認しておくことが大切です。
「丸投げなんて、うちはしていない」と思っていても
一括下請負というと、
「工事を全部他社に流して、自社は何もしない会社」
という極端なイメージを持つかもしれません。
しかし、実際には、
「気付いたら施工のほとんどを下請会社に任せていた」
という状態になる可能性もあります。
だからこそ、問題が起きてから、
「これは丸投げに当たるのか?」
と考えるのではなく、
下請に仕事を出す段階で、自社の役割を整理しておく
ことが大切です。
建設会社が一度確認しておきたいこと
下請会社に工事をお願いしている会社なら、一度、
「この工事で自社は何をしているか」
を確認してみてください。
例えば、
施工計画は誰が作っているか。
全体の工程を誰が管理しているか。
品質について誰が確認しているか。
安全について誰が管理しているか。
発注者との協議や調整を誰が行っているか。
こうしたことを整理してみると、自社の関与がどの程度なのかが見えてきます。
下請を使うこと自体を怖がる必要はない
ここまで読むと、
「下請会社に仕事を出したらダメなの?」
と思うかもしれません。
もちろん、そういう話ではありません。
専門業者の力を借りながら工事を完成させることは、建設業では普通に行われています。
大切なのは、
「下請に任せること」と「自社が元請としての役割を果たさないこと」は違う
ということです。
ここを理解しておけば、下請会社との役割分担も考えやすくなります。
仕事が増えてきた会社ほど確認しておきたい
工事が増えると、
「この現場はA社」
「この工事はB社」
というように、下請会社にお願いする仕事も増えていきます。
忙しくなればなるほど、
「いつもの会社にお願いしておけば大丈夫」
となりがちです。
だからこそ、
自社が元請として何を担っているのか
を一度整理しておくことをおすすめします。
建設業では、仕事を取ってくることだけが元請の仕事ではありません。
受注した工事について、施工全体を管理し、必要な調整を行い、責任を持って工事を進めることも元請の重要な役割です。
「下請に任せる部分が増えてきたな」
と感じたら、一度、自社の施工体制を見直してみてはいかがでしょうか。
任せることは悪くない。
でも、元請として任せてはいけない部分がある。
この線引きを知っておくことは、これから会社を大きくしていく建設会社にとって、とても大切なことです。
★一人の技術者に仕事が集中していませんか★
建設会社の仕事が増えてくると、社長としてはうれしいものです。
「去年より仕事が増えた」
「元請から任される工事が増えた」
「従業員も増えて、会社らしくなってきた」
そんな時期は、会社にとって大きな成長のタイミングです。
ところが、仕事が増えた会社ほど、一度確認しておきたいことがあります。
それが、**「技術者の仕事が1人に集中していないか」**という問題です。
「この人に任せておけば大丈夫」が危ないことも
建設会社では、長年現場を任せてきたベテラン社員や資格を持った社員がいることがあります。
社長からすれば、
「現場のことは全部分かっている」
「お客さんからの信頼も厚い」
「この人に任せれば安心」
という存在です。
そのため、工事が増えてくると、ついその人に次々と仕事を任せてしまいます。
しかし、工事現場には、工事ごとに主任技術者や監理技術者を適切に配置する必要があります。
つまり、
「仕事ができる人だから、全部その人に任せればいい」
という単純な話ではありません。
工事が増えたときこそ「誰をどこに置くか」を確認する
例えば、今まで3件程度の工事だった会社が、急に7件、8件と工事を抱えるようになったとします。
以前は、
「Aさんに任せれば大丈夫」
で済んでいたとしても、工事が増えれば状況は変わります。
Aさんが担当している工事が重なっていないか。
それぞれの工事で必要な技術者を配置できているか。
専任が必要となる工事が含まれていないか。
こうした点を、工事を受注した後ではなく、受注する段階から確認しておくことが大切です。
実際、国土交通省も、工事の内容や規模、施工体制などを考慮して、適切に技術者を配置する必要があるとしています。
「資格者が1人いるから安心」ではない
ここも、意外と誤解されやすいところです。
「うちには1級○○の資格を持った社員がいるから大丈夫」
という考え方です。
もちろん資格を持った技術者がいることは大きな強みです。
しかし問題は、
その人を、どの工事の、どの立場で配置するのか
です。
営業所に必要な技術者と、工事現場に配置する技術者では、確認するポイントが違います。
また、工事の規模や施工体制によっては、主任技術者ではなく監理技術者の配置が必要になる場合もあります。
「資格者がいる」というだけで安心せず、実際の受注状況と照らし合わせて考えることが必要です。
特に注意したいのが「急に仕事が増えた会社」
これは、会社が成長しているときほど起こりやすい問題です。
例えば、
・元請工事が増えた
・下請会社が増えた
・同時に複数の現場が動くようになった
・これまでより大きな工事を受注するようになった
・新しい資格者を採用した
こうした変化があったら、一度「技術者の配置」を見直してみてもいいでしょう。
会社が小さいうちは、社長やベテラン社員が何でも対応できます。
しかし、仕事が増えてくると、そのやり方ではだんだん限界が出てきます。
技術者の「人数」だけでなく「配置」を見る
建設会社の成長というと、
「従業員を何人増やすか」
「資格者を何人採用するか」
という話になりがちです。
もちろん、それも大切です。
ただ、それと同じくらい、
「今いる人を、どう配置するか」
を考えることも重要です。
特に、長年会社を支えてきた技術者に仕事が集中している会社は、一度整理してみることをおすすめします。
その人が退職したらどうなるのか。
その人が複数の現場を担当できなくなったらどうなるのか。
新しい工事を受注したとき、誰を配置するのか。
こうしたことを考えておくと、会社の弱点が見えてくることがあります。
「忙しいから仕方ない」で終わらせない
仕事が増えているときは、目の前の工事をこなすことで精一杯になりがちです。
だからこそ、
「今まで問題なかったから、今回も大丈夫だろう」
ではなく、
仕事量が変わったときには、会社の体制も見直す。
これが大切です。
建設業許可についても、営業所の技術者等に変更があった場合には、変更届などの手続が必要になるケースがあります。
「人が辞めた」
「資格者を採用した」
「役員が変わった」
といった人事上の変化を、単なる社内の人事異動として終わらせず、建設業許可への影響がないかまで確認する習慣をつけておくと安心です。
仕事が増えた会社ほど、一度立ち止まって確認を
会社が忙しくなることは、本来喜ばしいことです。
だからこそ、
「仕事は増えたけれど、会社の体制は以前のまま」
になっていないか、一度確認してみてください。
特に、
「この人がいれば何とかなる」
という状態になっている会社は要注意です。
会社が大きくなるにつれて、個人の頑張りだけに頼る経営から、誰が休んでも、誰かが抜けても対応できる体制へ変えていく必要があります。
姫路・兵庫県内の建設会社でも、仕事が増えてきたタイミングで「技術者の配置や建設業許可の体制を一度整理しておきたい」というケースは、決して珍しいことではありません。
忙しくなってから慌てるのではなく、忙しくなった今だからこそ、一度会社の体制を確認してみてはいかがでしょうか。
★「経験はある」でも証明できない★
建設業許可の実務経験で困る会社が先にやっておきたいこと
「本人には十分な経験があるんです。」
建設業許可のご相談で、よく聞く言葉です。
ところが、その次に出てくるのが、
「でも、昔の会社がもうありません。」
「昔の仕事の資料なんて残っていません。」
「何年も前のことなので、証明できるか分かりません。」
という話です。
ここは、建設業許可を考える会社にとって、意外と大きな問題になります。
経験があることと、経験を証明できることは別
建設業許可では、一定の要件を満たすことが必要です。
そのため、
「本人が経験していると言っているから大丈夫」
とは限りません。
申請では、その経験を確認できる資料などが必要になる場合があります。
つまり、
経験そのものがないことより、経験を証明する材料が見つからないこと
で困るケースがあります。
特に注意したいのが、昔の勤務先での経験です。
昔の勤務先がなくなっている
例えば、社長が以前勤めていた建設会社で長年現場経験を積んでいたとします。
その後、独立して自分の会社を設立。
「これだけ経験があるから、許可の要件も大丈夫だろう」
と考えて申請の準備を始めます。
ところが、
「前の会社は10年以上前に廃業しています」
となる。
ここから資料探しが始まります。
当時の会社に確認できない以上、何が残っているのかを一つずつ確認していく必要があります。
「昔のことだから仕方ない」では終わらせない
実務経験の証明で困らないためには、許可申請を考え始めた段階で、過去の資料を確認しておくことが大切です。
例えば、
・以前勤務していた会社の情報
・勤務していた時期
・担当していた仕事
・当時の工事に関する資料
・過去の契約書や請求書など
・勤務していたことを確認できる資料
などです。
ただし、必要となる資料や認められる確認方法は、経験の内容や申請先によって異なります。
「とりあえず昔の書類を全部集めればいい」
という話でもありません。
一番困るのは、申請直前に気づくこと
実はここが重要です。
許可を取りたいと思ってから資料を探し始めると、
「この会社にいたのは何年だっけ?」
「前の会社はもうなくなっている」
「工事の資料がどこにあるか分からない」
という問題が一気に出てくることがあります。
さらに、昔の資料は時間が経つほど見つけにくくなります。
だからこそ、
「まだ許可申請は先だから関係ない」
と思っている会社ほど、一度確認しておく価値があります。
独立前の経験がある社長は、今のうちに整理しておく
特に、
「社長自身が以前から現場で仕事をしてきた」
「その経験を会社の許可申請に使いたい」
という会社は、独立前の経歴を一度整理してみてください。
会社名だけではなく、
いつ、どこで、どんな仕事をしていたのか。
これを時系列で整理するだけでも、後から資料を探すときにかなり違います。
「経験年数は足りていると思う」
だけで止めず、
「その経験を、どうやって確認できるのか」
まで考えておくことがポイントです。
「経験はあるから大丈夫」と思っている会社ほど要注意
建設業を長く続けている社長ほど、
「俺は20年以上この仕事をしているから問題ないよ」
と思われるかもしれません。
もちろん、長年の経験は大切です。
しかし、許可申請では、
経験があることと、その経験を申請上確認できることは別問題です。
ここを知らないまま準備を始めると、申請直前になって資料集めに苦労することがあります。
建設業許可を考えているなら、
「自分には経験がある」
だけではなく、
「その経験を証明する材料は残っているか?」
まで、一度確認しておくことをおすすめします。
姫路・兵庫で建設業許可を考えている会社でも、
「昔の経験を使って申請できるのか?」
「昔の勤務先がなくなっているけど大丈夫なのか?」
というところから整理することができます。
許可申請は、書類を集め始めてから考えるより、
「自分の場合、何を準備しておけばいいのか」
を早めに確認しておくほうが安心です。
★「許可票」意外と見落とすルール
建設業許可を取得すると、会社には「建設業の許可を受けていることを示す標識」を掲示する必要があります。
そのため、
「うちはちゃんと許可票を貼っていますよ」
という会社も多いでしょう。
ところが、ここで一つ確認しておきたいことがあります。
その許可票、本当に掲示するべき場所に掲示されていますか?
「会社に貼ってあるから大丈夫」
と思っていると、意外なところで見落としがあるかもしれません。
許可票は「持っている」だけでは意味がない
建設業許可を取得すると、許可番号などが記載された許可票を目にするようになります。
事務所の入口などに掲示している会社も多いと思います。
これは、
「うちは建設業許可を受けています」
ということを外部から確認できるようにするためのものです。
つまり、許可通知書を会社の金庫にしまっておくだけではなく、決められた場所に標識を掲示することが必要になります。
「事務所に貼ってあるから現場は関係ない?」
ここで、建設会社の社長から出てきそうな疑問があります。
「事務所には許可票を貼っているけど、工事現場にも必要なの?」
実は、ここは重要なポイントです。
建設業者は、営業所だけでなく、建設工事の現場にも標識を掲げることが必要とされています。
つまり、
「会社の事務所に許可票を掲示している」
ことと、
「工事現場で必要な掲示をしている」
ことは別の話です。
「会社にはちゃんと貼っているから大丈夫」
だけではありません。
現場に行ってみたら「許可票がない」
例えば、社長は事務所の許可票を確認して、
「うちはちゃんと掲示している」
と思っていたとします。
ところが、現場を見に行ってみると、
「現場には何も掲示されていない」
ということがあるかもしれません。
特に、
- 現場を担当者に任せている
- 現場が遠方にある
- 現場ごとに担当者が違う
- 新しく始まった工事が多い
という会社では、事務所と現場の管理が別々になりやすいので注意が必要です。
「毎回確認する」という仕組みを作る
では、どうすればいいのでしょうか。
難しいことをする必要はありません。
例えば、
新しい工事が始まるときに、現場の掲示物を確認する。
という社内ルールを作っておくだけでも違います。
「工事が始まったら、許可票など必要な掲示を確認する」
と決めておけば、現場担当者に任せきりになるのを防ぎやすくなります。
さらに、
「現場の写真を撮って会社に送ってもらう」
という方法もあります。
現場に行かなくても、掲示状況を会社側で確認できます。
古い許可票のままになっていませんか?
もう一つ確認したいのが、許可内容が変わった場合の掲示です。
例えば、
- 商号が変わった
- 代表者が変わった
- 所在地が変わった
- 許可の更新をした
- 許可業種が変わった
など、会社の許可情報に変更があった場合です。
「事務所に貼っているから安心」
ではなく、
現在の許可内容と掲示内容が合っているか
も確認しておきたいところです。
古い情報が書かれたままになっていると、せっかく許可を適切に管理していても、掲示物だけが以前の状態ということになってしまいます。
許可票は「飾り」ではありません
建設業許可票は、会社の看板のような感覚で考えている方もいるかもしれません。
しかし、これは単なる会社のPR用のポスターではありません。
建設業法上、一定の事項を記載した標識を掲げることが求められています。
そのため、
「とりあえず会社の目立つところに貼っておけばいい」
ではなく、
どこに、どのような標識を掲げる必要があるのか
を確認しておくことが大切です。
現場を任せている会社ほど、一度確認を
社長自身が毎日現場に出ている会社なら、掲示状況にも気付きやすいでしょう。
一方で、
「現場は現場責任者に任せている」
「社長は営業や経理が中心」
という会社では、知らないうちに掲示に関する管理が抜けていることがあります。
これは、
「現場担当者が悪い」
という話ではありません。
むしろ、会社として、
誰が確認するのかを決めていない
ことが原因になりやすいのです。
一度、自社の現場を確認してみませんか?
建設業許可を取得してから時間が経っている会社なら、一度自社の現場を確認してみるのもいいでしょう。
「事務所にはある」
「でも現場はどうだろう?」
と思ったら、現場の掲示状況を確認してみてください。
そして、
「新しい現場が始まったとき、誰が何を確認するのか」
まで社内で決めておくと安心です。
建設業許可というと、申請書類や許可要件ばかりに目が向きます。
しかし、許可を取得した後には、こうした日々の現場管理もあります。
小さな確認が、会社の管理につながります
建設業許可は、行政書士に申請を依頼して取得したら、それで会社側の仕事が終わるわけではありません。
許可取得後は、
「変更があったら届出をする」
「決算が終わったら決算変更届を提出する」
「更新時期を確認する」
そして、
「必要な掲示がきちんとされているか確認する」
など、会社自身で管理していくことがあります。
「そういえば、現場の許可票って誰が確認しているんだろう?」
もしそう思ったら、それをきっかけに一度確認してみてはいかがでしょうか。
姫路で建設業を営む会社でも、許可を取った後の管理まできちんとできている会社と、申請したときのままになっている会社では、年月が経つにつれて少しずつ差が出てきます。
建設業許可は「取ること」だけでなく、「取った後にきちんと管理すること」も大切です。
まずは今日、会社の許可票と、現在動いている現場の掲示を一度確認してみてください。
★この工事、「決算変更届」にどう書く★
建設業許可を取得している会社なら、毎年やってくる手続きがあります。
それが**決算変更届(事業年度終了届)**です。
「税理士さんに決算をやってもらっているから、建設業の手続きも同じようなものだろう」
そう考えている社長もいるかもしれません。
しかし、建設業の決算変更届では、税務申告とは別に、建設業許可に関係する書類を作成して提出する必要があります。
その中でも、会社によって意外と頭を悩ませるのが、
「工事経歴書」です。
「工事を並べるだけ」ではありません
工事経歴書という名前を聞くと、
「去年やった工事を一覧にして書けばいいんでしょう?」
と思うかもしれません。
確かに工事の実績を記載する書類ですが、実際に作成してみると、
「この工事はどの業種?」
「この工事の金額はどう扱う?」
「同じ現場でいくつかの工事をしたけど、どうする?」
など、迷うところが出てきます。
建設業の決算変更届では、工事経歴書のほか、直前3年の各事業年度における工事施工金額、財務諸表なども提出します。
つまり、単に会社の決算書を提出するだけではありません。
「税理士さんに頼んでいるから大丈夫」ではない理由
ここも建設会社で誤解されやすいところです。
税理士さんは会社の税務や決算については専門家ですが、建設業許可の決算変更届とは別の手続きです。
例えば、
「完成工事高はいくらなのか」
「どの建設業の工事として整理するのか」
「工事経歴書には何を記載するのか」
といった建設業許可に関係する部分については、税務上の決算書だけを見ていれば自動的に完成するものではありません。
そのため、
「決算は終わったのに、建設業の届出がまだ終わっていない」
ということが起こります。
よくあるのが「工事名がバラバラ」
例えば、1年間に10件の工事をした会社があるとします。
社内の台帳を見ると、
- ○○様邸改修工事
- ○○邸リフォーム
- ○○店舗改装
- △△会社内装工事
- △△事務所改修
など、担当者によって工事名の付け方がバラバラ。
決算変更届を作ろうとして、
「これ、全部同じ種類の工事なの?」
と初めて気付くことがあります。
もちろん、工事経歴書を作るために、社内で普段使っている工事名をそのまま機械的に並べればいいとは限りません。
その工事が実際に何の工事だったのかを確認することが大切です。
「工事代金」だけ見て判断しない
さらに注意したいのが、工事の金額です。
建設会社では、
「請負金額はこれだから、この金額を書けばいい」
と考えがちです。
しかし、工事経歴書を作成するときには、契約書、請求書、工事台帳などを確認しながら、実際の工事内容と金額を整理していく必要があります。
特に、
「追加工事があった」
「途中で工事内容が変更になった」
「一つの現場で複数の工事を請け負った」
という会社は、後から資料を確認すると数字が合わないことがあります。
こうしたことを避けるためにも、普段から工事ごとの資料を整理しておくことが重要です。
「去年の書類をコピーすればいい」も危険
毎年決算変更届を出している会社では、
「去年の工事経歴書をコピーして、今年の分だけ追加すればいい」
と思うこともあるでしょう。
もちろん前年の書類を参考にすること自体は便利です。
ただ、会社の工事内容は毎年同じとは限りません。
新しい業種の工事を始めた。
今までとは違う工事を受注した。
元請工事が増えた。
下請工事が中心になった。
こうした変化があれば、前年と同じ感覚で作成するのではなく、今年の工事実績を改めて確認する必要があります。
「許可を持っている業種」と実際の工事を確認する
ここで、建設会社にとって大事な確認があります。
自社が実際に請け負った工事と、現在取得している建設業許可の業種がきちんと対応しているか。
ということです。
例えば、
「以前は内装工事が中心だったけれど、最近は外構工事も増えてきた」
という会社があれば、
「その工事は現在取得している許可との関係でどう整理されるのか」
を確認するきっかけになります。
決算変更届を作る作業は、単なる「毎年の書類作成」ではありません。
この1年間、自社がどんな工事をしてきたのかを振り返る機会
でもあります。
実は「決算変更届を作ると会社の変化が見える」
これは建設会社にとって結構重要なところです。
1年前には、
「住宅のリフォームが中心だった」
会社が、
今年は、
「店舗改修が増えた」
「法人からの仕事が増えた」
「新しい種類の工事を受けるようになった」
ということもあります。
工事経歴書を作ってみることで、
「うちの会社、こんな工事が増えていたんだ」
と気付くことがあります。
単なる行政手続きとして終わらせるのではなく、会社の仕事の変化を確認する資料として見るのも一つの考え方です。
だから、決算が終わってから慌てない
決算変更届は、事業年度終了後4か月以内に提出する必要があります。
しかし、決算が終わってから、
「さあ、工事経歴書を作ろう」
となると、1年間分の工事を一から確認することになってしまいます。
そうならないためには、日頃から、
- 工事名
- 発注者
- 工事内容
- 請負金額
- 工事の開始・完成時期
- 元請・下請の別
などを整理しておくと、決算変更届の時期になったときにかなり楽になります。
特に、現場担当者と事務担当者で工事の情報を共有できている会社は、手続きも進めやすくなります。
「この工事、どう整理するの?」と思ったら
決算変更届を作っていて、
「この工事はどの業種として考えればいい?」
「追加工事があるけど、どう整理したらいい?」
「工事台帳と請求書の金額が合わない」
「去年と同じ書き方でいいのかな?」
と疑問が出てくることがあります。
こうした場合は、無理に前年の書類に合わせるのではなく、まず契約書や工事台帳など、実際の工事資料を確認することが大切です。
建設業の決算変更届は、毎年提出する手続きだからこそ、「去年と同じ」で済ませてしまわないことも重要です。
決算変更届は「会社の1年を振り返る機会」
建設業許可を取得すると、どうしても、
「許可を維持するために毎年書類を出さなければならない」
という面だけが目立ちます。
もちろん期限内の届出は大切です。
しかし、せっかく毎年工事実績を整理するのであれば、
「今年はどんな工事をしてきたのか」
「去年と比べて、仕事の内容は変わっていないか」
というところまで見てみると、会社の現状を確認する良い機会になります。
そして、工事内容が変わってきたのであれば、
「現在の建設業許可の業種で今後も大丈夫なのか」
ということを考えるきっかけにもなります。
姫路で建設業を営んでいる会社でも、毎年の決算変更届を単なる「提出書類」と考えず、自社の工事実績を整理する機会として活用してみてはいかがでしょうか。
「今年の工事経歴書、去年と同じでいいのかな?」
そう思ったときは、一度今年1年間の工事を並べてみる。
そこから見えてくる会社の変化も、意外とあるかもしれません。
★建設業許可で注意したい工事の分け方★
「この工事、500万円を超えそうだな……」
そんなときに、
「じゃあ契約を2本に分ければいいんじゃない?」
という話が出ることがあります。
たしかに、工事をいくつかの契約に分ければ、それぞれの金額は小さくなります。
でも、
契約書を分ければ、本当に“別の工事”になるのでしょうか?
ここは建設業者さんに知っておいてほしいところです。
契約書を分ければ何でも別工事、ではありません
例えば、ある建設会社が一つの建物について工事を請け負うとします。
「まず外壁工事で400万円」
その後、
「追加で屋根工事もお願いします。こちらも300万円」
という契約を結んだとします。
契約書だけを見れば、
400万円の工事と300万円の工事。
一見すると、別々の工事に見えます。
しかし、実際には一連の工事として行われているのであれば、
「契約書を2つにしたから、それぞれ別の工事です」
と簡単に考えてよいとは限りません。
建設業許可について考えるときには、契約書の枚数だけで判断するのではなく、実際の工事の内容や関係などを確認する必要があります。
「最初は小さな工事だった」は要注意
現場では、最初から大きな工事として話が来るとは限りません。
「まずはここだけお願いします」
という話から始まり、
「せっかくだから、こっちもお願いできますか?」
「追加でこれもお願いします」
と、工事が増えていくことがあります。
最初の契約だけを見れば、それほど大きな金額ではなかった。
ところが、追加工事を含めるとかなりの金額になっている。
こういうケースでは、
「最初の契約金額だけ見ていれば大丈夫」
とは限りません。
工事を受注するときは、最終的にどのような工事を請け負うことになっているのかを確認することが大切です。
追加工事が出たら、もう一度確認
建設会社にとって、追加工事は珍しいものではありません。
現場を進めている途中で、
「ここも直してほしい」
「ついでにこの部分も施工してほしい」
という依頼が出てくることがあります。
もちろん、追加工事を受けること自体が問題なのではありません。
問題は、
追加工事を受けた結果、自社の建設業許可との関係で問題が出ないか
ということです。
「最初に受けた工事は大丈夫だったから、追加分も大丈夫だろう」
と、そのまま進めてしまうのは避けたいところです。
「別工事」と考える前に、工事の中身を見る
では、どこを見ればいいのでしょうか。
まず確認したいのは、
その工事が実際にはどのような関係にあるのか
ということです。
例えば、
- 工事場所は同じなのか
- 発注者は同じなのか
- 工事の時期はどうなのか
- 工事内容は関連しているのか
- 最初から一体となった工事として予定されていたのか
- 追加工事として後から発生したものなのか
などです。
「契約書が2枚ある」
という一点だけではなく、工事の実態を見ることが重要です。
金額だけでなく「工事の種類」も忘れない
もう一つ、建設業者さんが注意したいのが工事の種類です。
例えば、
「金額の問題はクリアしているから大丈夫」
と思っていても、実際に請け負う工事が自社の許可を受けている業種に該当するのか、という問題があります。
建設業許可は、
「建設業許可を持っている会社なら、どんな工事でも請け負える」
というものではありません。
許可を受けている建設業の種類も確認する必要があります。
つまり、工事を受注するときには、
① 金額
だけでなく、
② どんな工事なのか
も確認しておくことが大切です。
「契約を分ける」こと自体が悪いわけではありません
ここは誤解しないでください。
工事の内容が本当に別で、それぞれ独立した工事として契約されるのであれば、複数の契約になることは当然あります。
問題なのは、
「許可の金額を超えないようにするためだけに、実態として一つの工事を細かく分けて考える」
という発想です。
契約書の作り方だけで判断するのではなく、実際の工事内容を見て判断する必要があります。
現場では「これって別工事?」が意外と難しい
ここが建設業許可の難しいところです。
社長からすると、
「最初の工事とは別に頼まれたんだから、別工事でしょう」
と思うかもしれません。
一方で、行政上どのように判断されるのかは、契約書のタイトルだけで決まるわけではありません。
だからこそ、
「これは別工事として考えていいのかな?」
と少しでも迷ったら、契約を進める前に確認しておくことをおすすめします。
受注してから慌てないために
建設会社では、
「仕事を頼まれたから、とりあえず受ける」
ということもあるでしょう。
しかし、許可が関係する工事については、
受注する前に確認する
という習慣をつけておくと安心です。
特に、
「追加工事が増えてきた」
「最初の予定より工事範囲が広がった」
「一つの工事をいくつかの契約に分けることになった」
という場合は、一度立ち止まって考えてみてください。
★営業所の技術者が辞めたらどうなる?★
「建設業許可も無事に取れた。これで一安心」
そう思っていたところに、突然、
「専任技術者が退職することになりました」
という話が出てくることがあります。
実はここで、社長が注意しなければならないことがあります。
許可を取った後も、要件は続きます
建設業許可は、一度取得すれば、その後は何をしても大丈夫というものではありません。
許可を維持するためには、許可を受けた後も一定の要件を満たしている必要があります。
その一つが、営業所に置く技術者です。
建設業許可では、営業所ごとに、許可を受けようとする業種について一定の資格や経験を持つ「営業所技術者等」を専任で置くことが必要です。
「辞めてから考える」では遅いことがあります
ここで怖いのが、
「○月末で退職するけど、後任はまだ決まっていない」
というケースです。
社長としては、
「新しい人を探せばいいんでしょう?」
と考えるかもしれません。
もちろん後任を探すことは大切です。
ただ、その人が本当に営業所技術者として認められるのかは、別の問題です。
資格があるから大丈夫なのか。
実務経験で大丈夫なのか。
その実務経験は今回の業種で認められるのか。
会社との雇用関係はどうなっているのか。
こうした点を確認する必要があります。
退職が決まった時点で確認する
営業所技術者が退職することになったら、
「退職してから考えよう」
ではなく、
退職が決まった段階で確認する
ことをおすすめします。
なぜなら、後任候補者が見つかったとしても、その人を営業所技術者にできるとは限らないからです。
「この人なら経験もあるから大丈夫だろう」
という社長の判断だけで決めるのは危険です。
実際にどのような資格を持っているのか。
これまでどのような工事に携わってきたのか。
何年間の実務経験があるのか。
その経験を証明できる資料があるのか。
一つずつ確認していく必要があります。
「資格を持っている人を雇えばいい」とは限りません
ここも、よく誤解されるところです。
例えば、
「建設関係の資格を持っている人を採用すればいいですよね?」
と聞かれることがあります。
しかし、営業所技術者になれるかどうかは、単純に「建設関係の資格を持っているか」だけで決まるわけではありません。
許可を受けている業種との関係も確認する必要があります。
また、営業所技術者は「専任」であることも重要です。原則として、他の営業所などで専任を要する状態にある人などは認められない場合があります。
ですから、
「資格証を見せてもらったから大丈夫」
だけでは判断できません。
退職する人がいるなら、まず相談してください
建設業の会社では、人の入れ替わりは珍しいことではありません。
営業所技術者が退職する。
役員が退任する。
新しい人を採用する。
会社の体制が変わる。
こうしたことは、許可を取得した後にも起こります。
だからこそ、
「許可を取った後の人の動き」
にも注意しておくことが大切です。
特に営業所技術者など、許可の要件に関係する人が退職するときは、早めに確認しておきましょう。
「退職してから相談する」のではなく、
「退職することになったけど、この場合はどうすればいい?」
と早めに行政書士へ相談する。
それだけでも、慌てずに対応しやすくなります。
姫路の建設業者さんからも、よくあるご相談です
姫路で建設業を営んでいる会社でも、
「許可を取った後に社員が辞めることになった」
「専任技術者を交代させたい」
「この資格を持っている社員を技術者にできる?」
といった問題が出てくることがあります。
建設業許可は、申請して取得したら終わりではありません。
会社の人員や役員などに変更があったときに、許可との関係を確認することも大切です。
「これって行政書士に聞いていいのかな?」
と思うような小さな疑問でも、許可に関係することであれば、早めに確認しておくと安心です。
営業所技術者が退職することになったけれど、後任がまだ決まっていない。
そんな場合は、まず現在の許可業種と後任候補者の資格・実務経験を確認してみましょう。
建設業許可は、取得することだけでなく、その後も許可を維持していくことが大切です。
★元請け会社に「建設業許可の写し」を提出するとき★
建設業をしていると、元請会社から、
「建設業許可の写しを送ってください」
と言われることがあります。
建設業許可を持っている会社なら、特に珍しい話ではありません。
しかし、いざ「何を送ればいいの?」となると、迷う会社もあります。
今回は、建設業許可を取得した後に、元請会社などから許可関係の書類を求められた場合について考えてみます。
まず確認したいのは「何の写しなのか」
「許可の写しをください」と言われても、会社によって求めている書類が違うことがあります。
たとえば、
・建設業許可の内容が分かる書類
・許可番号などを確認できる書類
・許可を受けている業種を確認できるもの
などです。
そのため、分からないまま適当な書類を送るのではなく、
「どの書類が必要でしょうか?」
と確認するのが確実です。
元請が確認したいのは「本当に許可を持っているか」だけではない
元請会社が許可関係の書類を確認する理由は、単純に「許可を持っていますか?」だけではありません。
実際には、
「どの業種の許可を持っている会社なのか」
という点も重要になります。
建設業許可は、単に「建設業許可を持っている」というだけではありません。
許可を受けている業種がそれぞれ決まっています。
そのため、
「許可があるから、この工事なら何でも請け負える」
という考え方は危険です。
「許可を持っている会社だから大丈夫」とは限らない
ここは、建設会社の社長さんにぜひ知っておいてほしいところです。
たとえば、元請会社から工事を依頼されたとします。
自社は建設業許可を取得しています。
ところが、その工事について必要となる業種の許可を受けていなければ、単純に
「うちは建設業許可を持っているから大丈夫」
とは言えません。
元請から許可証の写しを求められたときは、これを機会に、
「今回の工事に対して、自社の許可業種で問題ないのか」
も確認しておくと安心です。
許可を取った後こそ「許可内容の確認」が大切
建設業許可を取得すると、
「これで建設業許可のことは一安心」
と思ってしまうことがあります。
しかし、許可を取得した後も、
・許可業種
・許可の有効期間
・営業所の内容
・会社の役員などの変更
・決算変更届などの手続き
について確認していく必要があります。
許可は「取ったら終わり」というものではありません。
会社の仕事の内容や状況が変わったときには、許可との関係を確認することが大切です。
元請から書類を求められたら、慌てずに確認を
「建設業許可の写しをください」と突然言われると、
「何を送ればいいんだろう?」
と戸惑うかもしれません。
そんなときは、まず元請会社に必要な書類を確認しましょう。
そして、単に書類を送るだけではなく、
「今回の工事に必要な許可業種が、自社の許可内容に含まれているか」
も確認しておくと安心です。
建設業許可は、取得することだけが目的ではありません。
取得した許可を、実際の仕事の中で正しく使っていくことも大切です。
姫路・兵庫で建設業許可を取得している会社で、
「元請からこんな書類を求められたけれど、何を出せばいいのか分からない」
「この工事は自社の許可で対応できるのか確認したい」
という場合は、書類を提出する前に一度専門家へ確認してみるのも一つの方法です。
小さな疑問でも、後から問題になる前に確認しておくことが大切です。








