会社役員の変更は要注意
会社の規模が大きくなってくると、役員を増やしたり、外部の人に経営に加わってもらったりすることがあります。
取引先との関係や事業拡大を考えて、新しい役員を迎えるケースもあるでしょう。
ところが、建設業許可を受けている会社では、役員の就任について少し気をつけておきたいことがあります。
それは、新しく役員になる人の経歴などによって、建設業許可に影響が出る場合があるということです。役員になれるには、様々な要件があるのです。
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役員なら誰でも就任できる、とは限らない?
建設業許可には、許可を受けるための要件だけでなく、許可を受けられない場合を定めた「欠格要件」があります。
例えば、一定の刑罰を受けた場合や、建設業法などに違反して所定の処分を受けた場合など、法律で定められた事情があると、許可を受けられないことがあります。
そして、確認の対象は会社そのものだけではありません。
法人の場合、役員等についても欠格要件に該当しないか確認する必要があります。
つまり、会社としては何も問題がなくても、新しく就任する役員について確認が必要になるケースがあるのです。
もちろん、過去に何らかの問題があった人は全員役員になれない、という話ではありません。対象となる事由や期間などは法律で定められているため、具体的な事情に照らして判断する必要があります。
就任してから気づくと、どうなる?
例えば、事業拡大に合わせて新しい役員を迎え、登記も済ませたとします。
その後、建設業許可の更新や変更に関する手続きを進める段階で、役員に関する確認事項が出てきた。
こうなると、会社としては対応を急がなければならない可能性があります。
特に注意したいのは、役員の選任を会社法上の手続きだけで考えてしまうことです。
会社の登記ができることと、建設業許可の要件上問題がないことは、別の観点から確認しなければなりません。
役員の就任を検討する段階で、建設業許可への影響も確認しておけば、後から慌てるリスクを減らせます。
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役員を迎えるとき、何を確認すればいい?
新しい役員を迎える際は、少なくとも次の点を意識しておきたいところです。
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建設業法上の欠格要件に該当する事情がないか
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過去の処分や刑罰などについて、法律上の制限期間が関係しないか
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役員就任後、許可に関する変更届などが必要になるか
確認の際には、本人の申告だけで判断せず、必要に応じて具体的な事情や資料を確認することも大切です。
また、役員の範囲は、登記簿に名前が載っている人だけを機械的に見ればよい、というわけではありません。法律上、確認対象となる役員等の範囲を踏まえて判断する必要があります。
人選の段階で確認しておくことが、会社を守る
役員の人選は、会社の将来に関わる重要な判断です。
経営能力や人脈、専門知識などを考えて人選するのは当然ですが、建設業許可を受けている会社では、許可への影響も確認事項のひとつになります。
役員を迎えることが決まってから慌てるのではなく、就任を決める前に、建設業許可上の問題がないか確認する。
このひと手間が、会社の許可を維持していくうえでも大切です。
役員の就任や変更を予定している場合は、登記の手続きだけでなく、建設業許可への影響もあわせて確認しておきましょう。
大臣免許、知事免許。どちらが必要?
姫路の建設会社が、大阪や岡山の工事を請け負う。
仕事の範囲が広がるのは、会社にとってうれしいことですよね。
そこで気になるのが、建設業許可の区分です。
「兵庫県知事の許可を受けているけど、県外の工事を請け負っても大丈夫?」
この疑問、実は判断のポイントを少し取り違えやすいところです。
結論からいうと、県外の工事を請け負うこと自体を理由に、国土交通大臣の許可へ変更する必要はありません。
では、知事許可と大臣許可は、何を基準に分かれるのでしょうか。
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判断の基準は、工事現場ではなく「営業所」
建設業許可には、大きく分けて次の2つの区分があります。
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知事許可:建設業を営む営業所が、1つの都道府県内にのみある場合
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大臣許可:建設業を営む営業所が、2つ以上の都道府県にある場合
つまり、兵庫県内に営業所を置く会社が、大阪府や岡山県の現場で工事を施工していても、それだけで大臣許可が必要になるわけではありません。
反対に、兵庫県知事の許可を受けている会社が、県外に建設業の営業所を設けて営業する場合には、許可区分の見直しが必要になることがあります。
ここで重要なのは、営業所の所在地です。
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では、県外に事務所を借りたら大臣許可になる?
ここが、実務上確認しておきたいところです。
例えば、受注した工事が増えてきたため、大阪に事務所を借りることにした会社があるとします。
その事務所では、見積もりを作成し、発注者と工事内容や金額を交渉し、契約に関する業務を進める予定です。
このような場合、単に「事務所を借りただけ」と考えるのは危険です。
建設業法上の営業所に当たるかどうかは、看板や名称だけで決まるものではありません。建設工事の請負契約に関する実質的な業務を行っているかなど、実態を踏まえて判断する必要があります。
一方、工事現場の近くに置く現場事務所や、連絡・事務処理だけを行う場所が、必ず建設業法上の営業所に当たるわけでもありません。
大切なのは、その場所で何をしているのかということです。
「支店」という名称を付けていないから大丈夫、とも言い切れませんし、事務所を設けたら何でも大臣許可になる、という話でもありません。
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営業所を増やす前に確認したいこと
県外への営業展開を考えている会社は、事務所を借りたり、人員を配置したりする前に、次の点を整理しておくと安心です。
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県外の拠点で、見積もり・入札・契約交渉などを行う予定があるか
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工事請負契約に関する指導や監督を行う機能があるか
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既存の営業所と、新しい拠点で業務をどのように分担するか
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許可区分の変更や、営業所に関する届出が必要になるか
特に、県外への進出を急いでいると、事務所の契約や採用を先に進めてしまうこともあると思います。
しかし、営業所の設置状況によっては、許可区分の変更に加えて、新しい営業所に置く営業所技術者等の要件なども確認しなければなりません。
単に事務所を増やせば終わり、というわけではないのです。
県外の仕事を増やすなら、営業体制も確認を
建設業許可は、許可を受けた都道府県内でしか工事ができない、という制度ではありません。
だからこそ、県外の現場が増えたときには、現場の場所だけで判断せず、会社の営業体制に変化がないかを確認することが大切です。
新しい拠点を設ける予定がある会社や、県外での営業活動を本格化させようとしている会社は、事前に許可区分や営業所の要件を確認しておくと、後から慌てずに済みます。
「うちの新しい拠点は、建設業法上の営業所に当たるのだろうか?」
そんな疑問があれば、設置を進める前に一度確認してみてはいかがでしょうか。
みやこ行政書士事務所では、建設業許可申請に関するご相談を承っています。

